おいしいりんごにしたい

 

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 以前こだわっていたのは、この肥料を施すとすごくいいんだとか、この資材をあげると農薬を減らせるとか。それも悪くないと思うのですが、「これだ!」と思える結果にはなかなかたどり着くことは出来ませんでした。

 平成12年10月下旬、お誘いを受け、山形県東根市の清野忠先生のりんご園を見学させていただく機会がありました。清野先生は、果物づくりに於ける剪定の重要性を強く説かれている方です。衝撃的でした。立派なりんごばかり沢山実っており、自分の家の周辺の様子とはあまりに違いすぎ、何が起きているのかよくわからない状況でした。今でもわかりませんが。

 自分の中にも迷いがあり、少し間があいたのですが、清野先生の技術指導を仰いでいるグループに加えていただきました。現在その仲間と共に剪定技術を学び、りんごづくりについて考え、悩む毎日が続いています。自分にとって山形の先生は当然先生ですし、その弟子の皆さんも先生ですし、一緒に勉強している仲間もやはり先生です。そして別のりんごづくりをしている方もある意味で先生といえます。りんごづくりを追求しているいろいろな方々に感謝せざるを得ません。

 清野先生から教えていただいていることは数限りありませんが、樹全体の樹相を整えるのは剪定以外になく、来年実をつける花芽の葉が今年の実を育てるのだといわれます。肥料で育てるりんごではなく、良質な花芽の葉で育てるりんごづくりをみんなで目指しています。施肥は樹の様子を見ながら必要最小限にとどめています。りんごには基本的に肥料はあまり必要でないみたいです。りんごの樹の能力は私たちが思っている以上に高いようなのです。

 良い花芽にこだわっていると、葉の質もそれ以前と比べて変わってきたのが良くわかります。葉が厚く、硬くなり、病害虫に強そうな葉になります。農薬に替わる資材を使うわけではなく、特殊な肥料も使わず、体質の強化と日々の観察で農薬を減らすことが出来るのです。樹の生命力を最大限に引き出すのだといわれます。

 そしてふじに関していえば、独特の歯ごたえが有り香りたつ、ただ甘いだけでなく、酸味とのバランスの取れたふじ本来の味が生み出されます。あるお客様からは、「昔懐かしい味がする」とも言われました。その他のりんごでも、その品種本来の味が引き出されてくるのだと思います。

 

 

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最終更新日 : 2007/09/10